すると、彼は音楽プレイヤーをバッグの中から取り出した。

「聞く?俺さぁ、この曲すきなんだよね」

そう言いながら、イヤホンを私の耳に近づけた。

あ、この曲…私の大好きな歌だ。

「ふん〜、ふん〜…」

いつも部屋で聞いてるから、つい口ずさんでしまった。

陸くんは、びっくりした顔でこっちを見てる。

や、どうしよー!

恥ずかしくて俯いてしまった。

「好きなの?君も?」

陸くんは笑顔で聞いてくれた。

「う、うん。」

恥ずかしいからモジモジして答えた。

「そういえば、名前聞いてなかったね。なんて名前?」

「え、あたし?あたしは、清水あいりだよ。」

「あいり…いい名前だね。よろしくな。あいり!」

///////どうしよう、いきなり呼び捨てされちゃった。

「う、うん。よろしくね。陸くん」