刻み続ける時計



剣は驚いた。


目の前にいたのは、クラスでもモテてて、王子の紫苑といつも一緒にいる純。



剣は冷や汗をかいていたが、途端にそれが引いた。
仲がいい純を見たからだ。

俺は殺されない、
そんな気がして。



「純、どうしたん?何でこんな夜中にグラウンドなんか立って!
俺はある人に呼び出されてさー」


完全に気を引かれている。
純はニヤッとわらった。


なぜなら、
剣は完全に緊張の糸がとけているからだ。
冷や汗もとまり、笑顔が戻り、普通に純に話しかけた。


かげで、唯愛と紫苑も笑う。


純は演技を開始した。


「あー、剣!!!
俺も実は呼び出されてさー!
一人はめっちゃ怖くてww
だってなぁ…あの…寺坂の時と同じメール構成だぜ?
ふざけてるよなー」


さらに気を惹かすために、笑顔をみせる純。


「なんだ、あいつは…。
やけに演技が上手いな」


唯愛は呆れていた。
唯愛にはわかりやすい嘘の演技を、純はしたからだ。