2012.7.12.AM9:00
守衛の田中さん(40)が朝、見回りを始めていた。
1限目が始まっている校舎を回って、
生徒に挨拶をして、
残るは屋上だけだ。
屋上に向かう間1人ごとをつぶやいていた。
「あー、昨日の夜の記憶がない。
なんでだろーなー。
黒い服着たやつが口おさえたってことだけわかんだけどなー」
田中は屋上のドアをあける。
開けた瞬間、
悲鳴をあげた。
「う、うぎゃあああああああ!!」
あまりにも大きな声で叫んだものだから、
下の職員室まで聞こえていた。
下からは空きのあった先生たちがのぼってくる。
その先生たちも続いて悲鳴をあげる。
そのころ1-Aでは、悲鳴をきいて皆がざわざわしていた。
「ふふ。」
唯愛は不気味に笑った。
その笑みを、
冷静に見る純と紫苑。
2人は目をあわせて、
続いて2人も不気味な顔で笑った。

