プルルルルルル…
ベタな発信音が鳴り、相手は二コール目で繋がった。
『お電話ありがとうございます。こちら、恋人代行屋です。男女どちらをご利用になりますか?』
「ぁ……ぇ、と………」
緊張で心臓がばくばくと鳴る。
な、何て言ったらいいんだろう……。
「…あの、明日お願いしたいんですけど……」
『はい、性別はどうなさいますか?』
「男性で…」
『男性ですね。長期と短期どちらになさいますか?長期は最高一ヶ月、短期は最低半日が可能です』
「短期でお願いします…あの、十代の方にお願いできますか?」
歳はできれば十代がいい。
…まぁ、頼めれば誰でもいいんだけど、あんまり年が離れてるのもちょっと……。
『申し訳ございません。その条件ですと現在用意することができません』
………え?
その条件だと?
な、何がいけなかったんだろう……。
どうしてですか、なんて聞く勇気を私は持ち合わせていない。
ど、どうしよぉ………。
緊張と、なにか言わなきゃと言う焦りでいっぱいになった。
『どうなさいますか?』
え、あぁ、……もう!
「何でもいいので明日の午後から代行してください!」
