ちょっと…いや、かなり怪しいので使おうか迷ったが、他に道がないので非通知でかけてみることにした。
もし本当に契約ができて、恋人になるとしても明日だけだもんね。一日だけなら大丈夫。
ゆっくりと番号を打っていく。
緊張する……。
受話器を耳にあて、準備オッケー。あとは、発信ボタンを押すだけ…。
ごくりと唾を飲み込む。
こういう不安なとき、両親がいたらといつも思う。
相談できたかもしれないのに。
…そんなことを考えてもしょうがない、と両親のことは頭の片隅に追いやる。
そんなことより、今は明日のことを考えなきゃ。電話電話。
ぎゅう、と押しつぶすように発信ボタンを押した。
