――本当は帰ってきて、会ってから言おうと思ってたんだけど… うん。どうしたの? 夜吹く風は昼間よりも怖く感じる。 まるで何かを支配するかのように大きく轟いてる。 ――おまえのこと、好きなんだ。 窓を全開にしているにも関わらずあたしの耳には先生の声しか届かなかった。 その瞬間だけ、まるで時が止まったかのように、 しっかりとあたしの脳裏に焼き付いている。 それは、春が始まったばかりの9月の寒い日だった――