「奈美、いいの?」



 律さんに聞かれて、私は顔を上げた。



「翼、奏子にたぶらかされてるんだってね」



 律さんの言葉に私は俯いた。



「元気出して?私、アイツにガツン、って言ってあげるから!」


 私は首を振った。



「…いいの?このままで」


「うん。私…もう、翼とは別れたから」



 凛が、小さく声を漏らした。