「最初はなんだって、かわいい、とかそういう感情から始まってくんだろ」 玲ちゃんはそう言って、私を見た。 「なんなら、目が合ったらお前の好きなところ、全部上げてやろうか」 「え?」 「優しいところ、演奏がうまいところ、俺と仲良くしてくれるとこ、それから――」 玲ちゃんは私を見て、小さく笑った。 「かわいいとこ」