晴と別れて俺は今自室にいる。
ベッドに体を預け目を閉じると、ついさっきのことが鮮明に思い出された。
『私…今付き合ってる人がいるの…。だから、ごめんなさい…。』
本当に申し訳なさそうに晴はそう言った。
まぁ…そうだよな…。
高2なら、彼氏くらいいるよな。
ショックじゃないと言えば嘘になるけど、伝えられてよかった。
『そっ…か…。あ、はは…分かったよ。ありがとな、真剣に答えてくれて。』
無理矢理作った笑顔でそう言って、頭を撫でようと上げかけた手は途中で下ろした。
その後は空気を変えようとわざと明るく話した。
誰と付き合ってるのか聞いてみたけど、晴は最後まで教えてくれなかった。
教えてもらえないと余計気になる…。
優に聞いてみようか。
たしかあいつ、晴の高校に彼女いるって言ってたし。
優は俺の友達。
同じクラスで、高2になって仲良くなった。
誰にでも優しくて、スポーツ出来て、頭も悪くはない。
すごくいい奴だ。
こんなモテ男、彼女さんも大変だな。
想像したら笑えてきた。
ククッと小さく笑って、しばらくぼーっとすると俺は眠りに落ちた。

