天使の涙に恋をした(仮)

晴side



「その時俺の友達がさ……」



賑やかな商店街。



私の隣では健吾が楽しそうに話している。



今日の買い物は文化祭の買い出しだと言う。



つまり私は荷物持ち。



女の子に荷物持ち頼むなんてひどくない?



まぁ、今更健吾に女の子扱いされても気持ち悪いだけだけど。



「…る…晴!」



「えっ?なに?」



「やっぱ聞いてなかったのかよ…」



健吾はわざとらしくガッカリしたようにうなだれた。



「ごめんごめん、考え事してた。」



笑って謝ると、もう一度同じことを言ってくれた。



「今日付き合ってくれたお礼になんか奢ってやるから、何がいい?って聞いたんだけど?」



え、お礼!?
健吾が?私に?



「…どうしたの?」



私が疑いの目を向けると、



「その反応はひどいなぁ…。」



苦笑いの健吾。