天使の涙に恋をした(仮)




あれから、特に進展もなく…



一週間が経った。



小さな幸せを壊したくないから、



今日も先生と生徒を演じる、はずだった…。



いつも通り登校すると、なにやら教室が騒がしい。



なんだろう…?



黒板に何か書いてあるけど、みんな集まってて見えない。



「どうしたのー?」



机に鞄を置いてみんなの輪に入ろうとすると



ザッ…



………え?



私が声をかけた途端、みんなの視線が私に集まり



道が開ける。



全体が見えるようになった黒板。



《園原晴はみんなを騙している。》



大きくそう書いてあって、その周りに裏切り者とか、最低とたくさん書いてあった。



なに……これ………。



「おっはよー!」



遅れて来た華奈の声が静かになった教室に響く。



「何みんな集まっちゃって。どうした…の……」



華奈が固まった。



やだ、こんなとこ居たくない…。



私は屋上に走った。



「何よこれ!誰がやったの!?」



いつも穏やかな華奈の怒った声が、小さく聞こえた。