コンコンッ
「どーぞー。」
準備室の扉を叩くと中から春川先生の声。
にやけてしまう顔を両手で挟んで深呼吸。
落ち着け…平常心、平常心。
「失礼しますっ。」
中に入ると、何か作業をしている先生は
こっちを見ずに話す。
「来たか。こないだ残した資料、まだ半分以上あるからなー。明日使うんだ。今日中に終わらせてくれ。」
「…分かりました。」
ちょっとくらいこっち見てくれたっていいじゃない。
口を尖らせながらも先生の隣に座り作業開始。
しばらく沈黙が続いて、なんだかやる気がなくなってきた。
休憩〜。
紙の束の上に顎を乗せて一息。
隣では先生がずっとパソコンをカタカタといじっている。
忙しいのかな…。
つまんないのー。
なんか眠くなってきた…。
重たくなる瞼に従い、ゆっくりと目を閉じた。

