「華奈〜、俺甘いの食べたい!なんか頼もー。」



優はそう言ってメニューを開いた。



あたしはお腹すいてないしなぁ。



悩んだ末に、優はチョコパフェ。
あたしは、ホットレモンティーを注文した。



少し待つと、店員さんがそれらを運んできた。



店員さんは迷わずあたしの前にパフェを、
優の前にレモンティーを置く。



何度見ても笑っちゃうけど、これはもうお約束。



物凄く甘党な優。
だけど、なぜかそう見られないんだよね。



あたし達は必死に笑いをこらえて、



店員さんが去ったのを見届けると交換した。



「人は見た目によらないんだよね。」



優は困ったように笑って言った。



「そうね。あたし甘いのあんまり食べないし。」



そんな会話をしてあたし達は笑い合った。



何気ない会話。
繋がれた手。
放課後のファミレス。



小さな幸せがたくさん集まって、あたしは笑顔になれる。



こんな日々が、ずっと続きますように…。



          《甘党彼氏−end−》