顔をあげると、大好きな人が目に入る。
来てくれた…。
嬉しいけど、嬉しくない。
私、先生を困らせてるだけだ。
どうにかして、誤魔化さないと…。
「先生、あのっ…ごめんなさい!ちょっと私、寝ぼけてたみたいで……」
ギュ…
「………ぇ?」
気付くと、私は先生に抱き締められていた。
「せん、せ……?」
「晴!……好きだ、晴…。」
うそ……
先生が…私を、好き?
本当に…?
こんな、夢みたいな……。
どうしよう。
嬉しすぎるよ。
「先生っ!」
私も先生を強く抱き締めた。
これから、どんな苦しみが待っているかなんて、
知りもしないで…。
終わりへのカウントダウンが、
始まる。

