「ハァ…ハァ……」
そうだ、具合悪いんだった。
走りながら目眩と吐き気に襲われる。
私…どこに向かってるんだろう……。
分からない。
でも、遠くに行きたかった。
一人になれるところに。
私は、不調に耐えてひたすら走った。
―――――………。
ここなら、一人になれるだろう…。
たどり着いたのは、特別棟の空き教室。
教室や音楽室などは、全て本館にある。
特別棟はあまり使わないから、人気がない。
荒い息を整えて、崩れるように座った。
「…ふぇ……っ……」
再び涙が溢れてくる。
止まらない。
涙も、先生への気持ちも…。
「…っ…せん、せぇ……!」
その時、
「晴っ…!」
愛しい人の声が、私を呼んだ…。

