月日は経ち、俺は大学を無事卒業して



教師になってもう2年目。



俺は新学期から新しい職場になる女子校の見学に来ていた。



女子校ってのがちょっと抵抗があるが、家から近いし。



先生方もいい人そうだ。



新学期が楽しみで鼻歌なんか歌いながら、そろそろ帰ろうかと思った頃。



ザァァァァァ……



さっきまで小雨だったのに、一気にどしゃ降りに変わった。



……帰れねぇじゃん。



とりあえず昇降口まで行くと、傘が一本余ってる。



「ラッキー、傘余ってんじゃん。」



休みが開ける前に返しに来れば大丈夫だろ。



そう思い、傘を手に立ち上がった瞬間……



「あ、あの!」



背後からかけられた声。



懐かしい感じがしたけど、その正体は分からないまま振り向いた。



そこにいたのは、ずっと会いたかった人…。



俺を見て固まっているその子に、俺はあの時と同じ言葉をかけた。





「どうしたの?」




            《夕陽の綺麗な病室で−end−》