「いーよ。」
その少年は、笑顔で言ってくれた。
ネームプレートある名前は『園原 亜紀』
「ここ、空が綺麗だな…。」
「うん、気に入ってるんだ。この景色は俺の数少ない楽しみの一つ。」
「そうなんだ…。」
彼がなぜ入院しているのか。
口調からして彼はずっと入院してるらしい。
気になったけど、俺には聞く勇気はなかった。
すると、
「俺、心臓弱くてさ。だから入院と退院の繰り返しで、学校とかまともに行ったことないんだ。」
俺の気持ちを察したように話し出した。
そう言った彼の表情は少し悲しそうで、だけど彼は微笑んでた。
「君は、辛くないの?」
「辛くないって言ったら嘘になるけど…。でも、耐えられるよ。」
彼は笑って言った。
「姉ちゃんが約束してくれたんだ。医者になって、俺の病気治してみせるって。」
お姉さんが…彼をこんなに強くしてるのか。
「だから、俺は姉ちゃん信じてを待つよ。この生活もそれのおかげで頑張れる。」
俺は何も言えなくて、何か言おうとすると涙がこぼれそうで。
「そっか…お大事にな。」
それだけ言って病室を出た。

