キャラメル色のふわっとした髪。
ぱっちりした瞳に通った鼻と薄い唇。



かっこいい…。



「どうしたの?」



その人はふわりと微笑んだ。



見とれていたことに恥ずかしくなり、目をそらして私は答えた。



「あの、それ…私の傘、なんですけど…。」



「あぁ、これ?そっか、ごめんね。はい、返します。」



差し出された傘に手を伸ばす。



だけど彼は、傘を離してくれない…。



「…なんですか?」



「俺、濡れて帰るのやだからさ。近くのコンビニまで、いれてくんない?」



はぁ?



なんで私が……。



女の子に慣れていそうな話し方。



こういう人、気に入らない。



顔だけ、か…。