晴はきっと、今までたくさん頑張ってきたんだ。
晴の弟……亜紀君のために。
こんな偏差値の高い高校に入って、
有名な医大に行こうとしてるんだと思う。
その夢を、可能性を。
俺の勝手な恋心なんかで、壊しちゃいけない。
せっかく、再会出来たんだ。
俺の…一目惚れの相手と。
だからこそ、この気持ちは隠し通さなければならない。
好きな人の、幸せのために。
晴は、覚えてないんだろうなぁ…。
あの日も晴は、泣いてた。
つまり、
晴が俺と出会ったのは、あの雨の日だけど。
俺が晴と出会ったのは、
もっと前の話……。

