ふと、晴の泣き顔を思い出す。



凄く苦しそうで、悲しそうで。



いくら涙が溢れても、声を上げて泣いたりしない。



必死に声を押し殺して…静かに泣くんだ。



そんな晴を見てると、放っておけなくなる。



だけど、そんな晴を抱き締めてやることも出来ない。



ただ、傍にいて
晴の涙が止まるのを待つことしか出来ない。



こんなに想ってるのに、伝わらない。



伝えちゃいけない。



俺が教師で



晴が生徒だから……。



届いてしまったら、バレてしまったら…
晴の夢が叶わなくなってしまうから…。