階段を駆け上り勢いよく扉を開ける。
「ハァ…ハァ…」
こんなに走ったのは、久しぶりかもしれない。
なんだか、寂しい屋上。
寒い……。
でも、丁度いい……。
寒さが、私に冷静さを取り戻させてくれる気がする。
「ぅ……っ……」
冷静さを取り戻した途端、涙が溢れた。
私、自惚れてたのかな。
先生が、私に優しくしてくれるから
他の子より、構ってくれるから。
特別なんじゃないかって……。
だけど、ありえないよね…そんなの。
先生と私は6歳も離れてる。
先生生徒の関係の前に、恋愛対象ですらなかったのかもしれない。
周りの子達より、前に出会った。
だから、いろいろ頼みやすかった。
それだけ。
そうだよね…。

