少しずつ仕事を進めながら、先生を待つ。
5分…
10分……
15分…………。
もぅ無理!
飲み物買ってこよ…。
なんて自分に言い訳しながら、先生を探しに行く。
自販機に着くまで先生は見当たらなかった。
お金を入れて、温かいココアを買う。
かじかんだ手がじんわり暖まって、ちょっと落ち着けた。
もう、準備室に帰ってるかもしれない。
戻ろう…。
私はのんびり歩き出した。
――ある空き教室の前。
「春川先生………なんで?」
女の子の細い声が聞こえた。
うそっ、ここ!?
来るときと同じ通路で帰ればよかった…。
驚いた私は思わずしゃがんだ。
教室の窓は透明なガラス。
ど、どうしよう…。
もう立てないよ!
立ち上がったら、見つかっちゃう。
動けないでいると、先生達の会話が聞こえた…。
「先生、なんであたしじゃダメなんですか?」
女の子の声は、震えてる。
「あたし……こんなに、先生が好きなのに…。」
やっぱり、告白だったんだ…。

