私が答えないでいると、
「なんだ、恋愛事か?」
先生が馬鹿にしたように悪戯っぽい笑みを浮かべた。
イラッ…
まぁ、当たってるんですけどねっ…。
「えぇ、まぁ…。」
「…っ!」
私は返事をしたのに、今度は先生が黙ってしまった。
え、なに…?
作業を中止して先生の方を見ると、先生は眉間にシワを寄せて私を見ていた。
「先せ……」
コンコン
声をかけようとしたところで、誰かが来た。
「あ、あの…春川先生はいらっしゃいますか……?」
ふわふわした感じの小柄な女の子が入ってきた。
人形みたいに可愛い…。
「俺?どうした?」
先生が話を聞こうとすると、女の子は私をチラッと見て
「大事な話なので…ちょっと、いいですか?」
頬を赤らめてその子は言った。
「あぁ、分かった。園原、ちょっと行ってくる。仕事進めとけよ?」
そう言って女の子と一緒に準備室を出ていった。
思い当たることなんて、1つしかない。
きっと……告白だろう……。

