「あの日私達が会ったこと…誰にも言わないで下さい。」
「は?」
先生は突然の話についてこれてないのか
ぽかんとしている。
「だから!休暇前に会ってたこと、秘密にしてください!」
……………。
何、この間。
……っ!
もしかして断られたりすんの!?
それとも、黙っててほしかったら言うこと聞け的な!?
ど、どうしよう……!
いろんな事を考えていると
「…っぷ!あっはは!」
先生が、笑い出した。
…………今、笑うとこ!?
人が真剣な話をしてるのに、ほんっとこいつは…!
しばらくしてお腹を抱えながら笑っていた先生が、
ようやく顔を上げた。
「晴、そんなこと心配してたのか?
大丈夫だよ、誰にも言う気なかったし。」
あぁ……
そういう事ね。
心配する必要、なかったんだ。
「あの日の事は、俺と晴だけの秘密。」
先生はいつもの悪戯っぽい笑みじゃなく、
とても優しく微笑んで
私の頭をくしゃっと撫でた。