二人きりになった屋上。



晴は佐藤が出ていった扉を不安そうに見つめてる。



「大丈夫だよ、お前は俺が守るから。」



くしゃっと頭を撫でてやると、



「ありがとうございます…。」



晴は壊れそうなくらいに儚く微笑んだ。



「それと、嘘ついて悪かった。」



「……?」



なんの事か分かってないのか、晴が首をかしげる。



「教師が夢だって、嘘ついて悪かった。別れないと俺達の関係をバラすって脅されて…晴の人生壊したくなくて…。」



「………。」



俯いた晴からは表情が伺えない。



「でも、やっぱり俺は晴が好きなんだ。離したくない。佐藤が何するか分からないけど…一緒に戦ってくれるか?」



「……もちろんです!」



顔をあげた晴は目一杯に涙を溜めて、笑ってた。



今まで見た笑顔の中で



今まで見た涙の中で




一番、綺麗な表情だった。