「………。」
俺が話終えても晴は無言のまま。
「晴……?」
「先生……私………」
細い声で晴が何か伝えようとする。
その時
〜♪
突然のメロディに驚いて俺達は離れ、振り返る。
そこには、こちらに携帯を向ける佐藤がいた。
撮られた…?
「これ。どうしましょうか…ねぇ?」
携帯の画面を俺達に見せながら笑みを絶やさない佐藤に
「あのっ!誤解なんです…!」
晴が前に出て口を開いた。
「私が転びそうになったのを、春川先生が抱き止めてくれただけで…」
必死に言い訳をする晴を佐藤は面白そうに黙って見てるだけ。
俺は…なんで晴に庇われてるんだよ…。
俺が晴を守るって決めたのに、情けないな…。
「だから、あなたが思ってるようなことはなにもないの。」
今、晴を助けてやらなくて……
どうするんだよ。
「そもそも私、春川先生みたいな軽そうな人大きら……」
「晴、もういいよ。」
話を遮って晴を引き寄せる。

