「ちょっと窓から離れて。」
泣いている私にそう指示を出した健吾。
やることはわかっている。
中学の時も窓から私の部屋に遊びに来ることがあった。
まぁ、危ないとは思うけど
そんな離れてないから大丈夫だろう。
「っと。懐かしいなー、この部屋。」
私の部屋に飛び込んだ健吾はニカッと笑った。
その笑顔がいつも通り過ぎて安心する。
「晴、何があったのか俺に話して?」
優しくそう言った健吾に、私は話始めた。
教師を好きになったこと、別れを告げられたこと、先生の夢を応援したいこと、自分の夢も諦めたくないこと、初めての恋の辛さ……。
全部話した。
何も隠さずに、全部。
健吾なら信じられると思えたから。
健吾なら助けてくれると思ったから。

