結局寝られないまま朝になり、



学校は休んでしまった。



何もする気が起きない。
食欲もない。



改めて自分はこんなに先生が好きだったんだと気付かされた気がした。



〜♪



先生が歌ってたあの曲が突然流れ出した。



携帯を開くと、華奈が心配してメールしてくれたようだ。



『大丈夫だよ』と、それだけ返信して携帯を放った。



宙を舞った携帯がゴトンと床に落ちる。



疲れた…。



なにもかも、もう嫌だ…。



再び枕に顔を埋めた時、



「晴、いるのか…?」



聞き慣れた声が聞こえた。



窓を開けるとそこにいたのはやっぱり健吾。



「お前学校は?具合でも悪いのか?」



「まぁ、ちょっとね。でももう全然…」


『大丈夫』そう言おうとしたら、健吾の細い指が私の目元にそっと触れた。



「泣いたのか…?」



『晴、ごめんな…』



健吾が言動が先生と重なる。



「別に、泣いてないよ…。」



そう言ったけど、視界はすでに涙で歪んでいた。