屋上の扉を開ける。
ゆっくり私の方を向いた先生は、すごく悲しそうに微笑んでいて。
「晴、おいで。」
優しく言ったその声は、儚くて、消えてしまいそう。
先生に駆け寄ると、ふわりと愛しい温もりに包まれた。
どうしたの…?
不安ばかりが募る。
すぐに温もりは離れて、先生は私の目を見て言った。
「晴、別れてほしい…」
ぇ……………?
なに?
何て言ったの…?
私が言葉を失っていると、
「いろいろ考えたんだ。俺、教師って職を失いたくない。ずっと夢だったから、教師になること…。」
そしてもう一度、別れてほしい…そう言った。