そんな事まで解らなくなっていた。

自分が熱でショートし掛かってる
ロボットみたいに思えてくる・・。

もう、そっとしといて欲しい。

でないと、あたしが
あたしでいられなくなってしまう。


「う・・ぁ、」

「瑠璃・・・。」


痛い、
貴方の抱き締め方は痛すぎる。

ストレートすぎて
心の錆がボロボロ剥がれ落ちてしまう。


「放してよ・・ぅ・・」

「嫌だ、寒そうだもん。」

「答えてよ・・・先に・・!」

「・・じゃあ・・言い方を変えようか?」


グスと鼻がなり、涙と化粧で
シャツを汚してしまうと云うのに
彼は腕の中
あたしをずっと押し付けたままで。

言葉をほんの少しタメてから。



「他の誰かじゃなくてさ・・
俺の傍に居てよ・・。」

「・・・・・なにそれ・・」

「抱き締めさせるのも、キスさせるのも
俺だけ・・って、どう・・?」

「・・・・・・独占?」

「そうとも云うな」



彼が静かに返事を返した。

セックスが抜けてる。
あたしはつい、可笑しくて泣き笑い。


「今ならもれなく
この車も付いてくるけど?」

「・・フフ、ゴルフじゃん・・
別のがいい・・。」


まるで
あたしをあやす様に彼が揺れる。

月明かりが照らす、
車と車がひしめき合う夜の駐車場で。

まだ、泣き止めない。