「前カレにも冷めて、
恋愛にも冷めちゃったんだ?」

「かもね」

「安心した」

「え?」

「まともだよ。
そこで醒めたって事はさ。」


くっくっ・・、とまだ笑う。

何よ、カンジ悪い・・大人ぶって。


「ねえ」

「何」

「今すぐエッチしたい」

「は!?」

「俺が温め直す・・!」

「エ!? ちょっと・・!」


手首をグイと引き上げると
テーブルの上のキイホルダーと
あたしを奪い、家の鍵を掛けてる。

まだ理性は働いている様だ。


「って、待ってよ・・! まだ、
イイなんて一言も云ってない、やだっ!」


ところがその後、即効で
引き摺る様にして車に乗せられた。

車のエンジンを掛けると
運転しながら彼がチラ見する。

その顔は真剣そのものだった。
ロックをし、あたしの手を握った。


「もう・・逃げないわよ。
ヤれば満足するんでしょ?」

「・・・・・。」


( ああ・・
怒らせちゃった・・面倒クサ・・。)


国道沿いまで出てきて、
新しいラブホに車は入ってく。

これからエッチしようって時に
受付で明るいお姉さんが

「サービス・ドリンクです♪」

と、小さなビール2本と
部屋の鍵を渡してくれた。

久し振りの様な気がする・・
こんな所に来るのは。

部屋はなかなか広・・つか、
ベッドのデカさが並じゃない。

彼は相変わらず口をきかず、
黙ったまま手を引き、
バスルームへと連れてった・・。