「恋愛の為れの果てを見たって感じ?」

「え・・・・?」

「裏切らせたのは
あたしも同じなのにね・・。」


そう云えば解った筈だろう。
前カレには奥さんと子供がいた。

彼と奥さんは
駆け落ちしてまで
一緒になったと聞いていた。

若かりし頃の前カレは
きっと情熱的だったのだろう。

そんな燃え上がった筈の恋も
何年か経ち、
子供が大きくなれば冷える。

ある日、あたしに
前カレが云った___


「たまに義理でHしてるよ?」


夫婦仲は、もう崩壊していると
云っていたのに?

・・・外では浮気をし、
家では義理のセックスをする。

あたしは彼の家庭を
壊すつもりなど毛頭なかったが
その時はさすがに

「別れればいいじゃない。」

そう云っていた。

"義理でサレる身にもなれよ"

妙な感情から出た言葉だった。

あたし以外の他の彼女にも
そんな事を云ったのだろうか?

云わなきゃ良かったのに。

その台詞で
我に返ったのかも知れない。

自分をどれ程の男だと
評価しているいるのだろう?

( "ヘタクソなH"をカバーする
愛情のネジも弾け飛ぶってモンよね )


こうして愛情が同情に
変わった時点で恋は終る。

かつての彼の恋も、
あたしが勘違いしていた恋も。



「なんだ・・フフ。」

「!?」


さも可笑しそうな
年下男の笑いの震えが
あたしの背中にも伝わってきた。

きっと子供っぽいって・・
笑ってるんだろう。