隣の席のあいつ



次の日の朝、いつもより30分以上早く目が覚めた。

ドキドキしてなかなか眠れなかったのに。


寝癖を念入りに直して、顔も念入りに洗う。

手際よく制服に着替えて、朝ご飯を食べて、丁寧に歯を磨いた。



忘れ物の最終チェックをしてると、携帯が鳴る。

メール受信。

差出人は、小畑だった。



『着いた』



私は鞄を持つと、急いで玄関から外へ出る。

門の前には小畑が眠そうな顔で立っていた。


・・・・・・このために、早起きしてくれたんだね。


眠そうな小畑が愛しい。



「おはよ、小畑」


「・・・・・・・・・・・・うん」



・・・・・口数が少ないのは、そんなに早く直りそうにないか。

いいんだけどね。

小畑は無口だけど、たまに発する言葉が心に響く。



私たちは並んで歩き出す。



小畑は何も話さない。

私も何も言わない。



並んで歩くだけで幸せ。

私は時々横目で、小畑の横顔を見る。


この人が、私の彼氏。


無口で不器用だけど、温かい人。



言葉なんてなくたっていい。