隣の席のあいつ



「・・・追試、どうだった?出来た・・・?」



私が聞くと、小畑は黙って頷く。

よかった。

それだけは本当に心配だった。


万が一出来なかったら、どうしようかと思った。



「よかった・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・お前の壊れたシャーペン使ったら、出来た気がする」


「・・・え?」



・・・図書館で私が落として壊れたあのシャープペン・・・・・。

小畑が自分のと交換してくれたやつ・・・。


あれ、使ったんだ・・・・・。



小畑はまっすぐ、静かな目で私を見た。

私を見つめるまっすぐな目。

・・・・・私が苦手なやつ。



目をそらせない。

そらしたくても、小畑がそうさせてくれない。


胸がドキドキする。

また熱が上がりそうだった。



沈黙に耐え切れなくなって、私は口を開く。



「・・・・・・何で昨日、私にキスしたの?」



小畑の表情が硬くなる。

ストレートすぎた?

でも、小畑は下を向かないで私の目を見つめる。


そしてゆっくり口を開いた。



「・・・・・・・・・・・・わかんない」



返ってきたのは昨日と同じ答え。

小畑の得意の『わかんない』。



私だってわかんなくて、混乱してるのに。

1人だけ『わかんない』って言って逃げるのはずるいよ。



私が言葉を発そうとしたとき、小畑がまた口を開いた。