隣の席のあいつ



小畑は、次の日もその次の日も、私を家まで送ってくれた。



小畑が好きだって気づいてから、私は小畑とスムーズに話しかけられなくなった。

勉強を教えてるときは別だけど・・・。



2人で歩いてるときは、小畑の近くにいるだけで精一杯だった。



小畑は当たり前のように私を家まで送って、何も言わずに帰っていく。

そんな後ろ姿を見て、『やっぱり好きだ』って思う。



小畑とは、放課後だけじゃなくて朝も一緒に勉強した。

追試が近づいてきて、時間が惜しいからって小畑から言ってきた。


もっと口数は少なかったけど。




「ねえ、小畑」


「・・・・・・・・・・・」


「ねえってば」


「・・・・・・・・・・・」




「・・・・・・・小畑のバカ、無視すんな」


「・・・・・・・・してない」


「答えないじゃん」


「・・・・・・・・ちゃんと話は聞いてる」




勉強中、こんな会話がしばらく続いた。

小畑は私が勉強のことで話しかけても、返事をしてくれないことがしょっちゅう。



それでも無視はしてないって、本人は言う。

話はちゃんと聞いてるって。



わかってるよ。

ちゃんと聞いてくれてるのは。



小畑の返事は無言だって知ってる。



それでも、返事が欲しいと思ってしまうんだ。