隣の席のあいつ



机に散らばったペンをペンケースに入れようとしたとき。


小畑が私のシャープペンを手に取った。

さっき、床に落として小畑が拾ってくれたシャープペン。



「小畑・・・?」


「・・・・・・・・・・・・これ、壊れてる」


「え?」



小畑が指差した部分を見ると、確かにノートなどに差し込む部分が割れてしまっていた。



安物だけど、結構気に入ってたシャーペン。

壊れたって言っても、気にならないしそのまま使おうかな。



『大丈夫だよ、そのまま使うから』



小畑にそう言って、ペンを返してもらおうとしたとき。



小畑が私の前に、違うペンを差し出した。



「・・・え?なに?」


「・・・・・・・・・・・同じ種類だから、これ。やる」




小畑の持ってたペンは、私のペンの色違い。


私の持ってた赤に対して、小畑のは水色。




「え、いいよ、悪いし・・・まだ使えるから・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・いいから」




小畑はそう言って、私に水色のペンを渡す。

・・・受け取った方がいいのかな。


小畑はまっすぐ私を見る。



・・・このまっすぐな目、苦手。

そんなにまっすぐ見られたら、何も言えなくなる。



これ以上粘っても、きっと赤いペンは返ってこない。



「ありがとう、大事にする」



そう言って、私は水色のペンを受け取った。