隣の席のあいつ



突然、肩を叩かれた。


「うわっ?!」



びっくりして変な声を上げてしまった。

私の手から、持っていたシャープペンが滑り落ちる。


床に落ちて、乾いた音が響いた。




隣を見ると、小畑が私を見ていた。

少し目を見開いて、いつもとは表情が違う。


・・・・・私の声にびっくりしたのかな。



結構大きい声を出してしまった。

図書室に誰もいなくてよかった・・・。



「・・・ごめん、どうしたの?」


「・・・・・・・終わったから」



小畑はそう言って、私のシャープペンを拾う。

そして、それを私に差し出した。



「・・・・・ありがと」



受け取りながら、動揺したことがちょっと恥ずかしくなった。




いつの間にか、私が指定した問題は全て終わっていた。


小畑、解くの速くなってない?



答え合わせをすると、多少の計算ミスがあるものの、ほとんど正解。

こいつやっぱり、元から頭良いんだろうな。



かなり飛ばしたけど、小畑のお陰で数学のテスト範囲はもう残りわずか。

明日英語に入ってもいいかもしれない。

小畑がここまで頑張ってくれるなんて思わなかった。




完全下校のチャイムが鳴る。



「帰ろうか・・・時間遅いし」



私が言うと、小畑も立ち上がった。