隣の席のあいつ



不意に右腕を引っ張られた。



「わっ・・・・」



よろけた私を、小畑が支えてくれた。

私たちの横を、猛スピードの自転車が通過していく。



ボーっとしていたらしい私は、自転車の存在に気づかなかった。



「・・・ありがとう」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



お礼を言っても、小畑は何も言わない。

ただ、私の顔を見てゆっくり頷いた。



小畑はまたゆっくり歩き出す。

私も置いて行かれないように、早足で歩き出した。



・・・・・右腕を引っ張られたときの感覚が、まだ残ってる。

小畑の力の余韻が、右腕にはっきり。




小畑も男の子だ。

力が強くて当然だ。



右腕には、力強くて優しい感覚が残っている。



・・・・・・また小畑にキュンとさせられた。

どうして男の子って、こんなにずるいんだろう。



無口なくせに、ときどきキュンとさせるようなこと言ったり。

自転車から庇ったり。



小畑のバカ。



・・・・・・好きになっちゃうじゃん。