隣の席のあいつ



小畑との勉強会は、毎日放課後に図書室でやることになった。



実力テストの追試まで2週間。

思ってたよりも時間はある。




放課後、図書室に行くと、小畑は先に来ていた。



・・・・・・・机に突っ伏して居眠り。

自分の置かれた状況、わかってんのかな。



私は小畑の隣まで行くと、小畑の椅子を蹴飛ばした。



衝撃で、小畑はゆっくり起き上がる。

不機嫌そうに私の方を見た。



・・・・・・不機嫌になりたいのはこっちなんだから。



私は小畑に構わず、隣の席に座って参考書を広げた。

追試科目は、国語、数学、英語。



2週間で3科目。

きっと余裕。



「小畑、どこがわかんないの?」


「・・・・・・・・・・・・・・・」



小畑は怠そうに参考書をめくると、私の方へ戻した。




「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・全部」




そうひと言。



・・・・・・は?全部?

何言ってんのこいつ。



時間があるって言ったけど、撤回。

思ったよりも時間がない。