男はキョロキョロ周りを見渡した。 「あー、俺かー」 ポリポリ頭をかきながら言う、男。 …お前の他に誰がいる。 「俺の名前はー……」 そこまで言って、言葉を止めた。 ……? 男はニヤリと口端を上げた。 「…なんだと思う?」 こっ、こいつ! 「知らねーよ、ボケ」 「ちょっ、ボケって何だ!ボケって!」 ウルサッ! 「あー、…もういいや」 …面倒くさそうだし。 そう言って、立ち上がった。 軽くスカートの裾をはらう。