パクリとそれを口に含む。 「……うま」 ポロリと口から洩れた言葉。 あたしはもう一口食べた。 口いっぱいにバニラの甘さが広がった。 バニラの甘さを引き立てるようにか、すこし苦いビタークッキーが口の中にゴロゴロと転がる。 このハーモニーがあたしは好きだ。 「千尋ー。ちゃんと捨ててきたぞー」 そう言って、スプーンを持ってるほうの手を空に突き上げた海里。 あたしと、あいつの距離は10メートル。 長い足で一歩一歩、あたしに近付いてくる。