「…千尋のやつ食べたかったな」 そう言った海里はあたしの顔を覗き込んだ。 「来年は絶対くれよな!」 あぁ…ダメだ。 あたしってこんなに弱かったっけ? 視界がウルウルと歪み始めた。 「………で」 「ん?」 「…来年なんて言わないで」 「え、でも千尋作り忘れたんだろ?」 ううん、違うよ。 あたしはフルフルと首を横に振った。 「ほんとは用意してた…。でも少し意地悪したくなって、あんな嘘ついたの…。ごめ……」 手をひかれ、あたしは海里の胸の中にすっぽり入っていた。