春が来た。


ランドセルを背負った私は学校へ向かう。


頬をふんわりと暖かい風が撫でる。


どこかから花のいい香りがする。


このまま目を閉じて、ずっとこうしていたい気分だ。




「ひなたおはよー!」
 

学校に着き、門をくぐったところで親友の有沙、玲未、舞香、芽衣が待っていてくれた。

「おはよー。クラスどうなるんだろうね・・・それが気になって仕方ないよー」

私は手を振りながら答えた。

有沙、玲未、舞香、芽衣は去年、小学校五年生からの友達。

最初、舞香と芽衣と仲が良かったのだが、五年生の途中から、校外学習で同じ班になった有沙と玲未も仲良くするようになった。

今では、五人、ケンカするときもあるけれど、仲良く過ごしている。


「今日から六年生か・・・あと一年で卒業しちゃうなんて寂しいなぁ。いっぱい思い出作ろうね!」

有沙がガッツポーズをしながらみんなに言った。

「あったりまえじゃんー」

四人は笑って、口をそろえて言う。

「だよね♪」

五人でそんな会話をしていると、クラス分け表の前まで着いた。