「うっわ。超最悪…」

放課後、窓の外を見ると、空は真っ暗で大雨が降っていた。


「うわー。すごい大雨だねー」


上目遣いで私をみるのは、親友の真弓。

真弓は空を見上げると、鞄の中を探りだした。


「はい。貸してあげる」

真弓が鞄の中から取り出したのは、ピンクの折り畳み傘。


ニコッと笑うと、真弓は私に折り畳み傘を差し出した。


「私、涼ちゃんと相合い傘するからっ。真弓の傘、貸してあげる」

そう言われ、私は真弓から折り畳み傘を受け取った。


真弓が言う涼ちゃんとは、真弓の彼氏のこと。

真弓と涼は、もう1年以上付き合っている。



「ありがと。じゃ、私帰るから」

そう言い捨てると、私は教室を出た。



下駄箱へ行くと、私は靴に履き替え、真弓に借りた折り畳み傘を広げた。