「今日沖田来ないからクラスの雰囲気がいいよね」




「あいつが来たら急に静かになるもんな〜」





「この前また喧嘩して警察来たって」




「あいつヤクザの下っ端と仲いいらしいぜ」





12月。もうすぐまちにまった冬休みだと言うのに
クラスは沖田 龍の噂話で持ちきりだった。





わたしは、みんなから聞こえる
どの話も
わたしの知る沖田 龍とは違う気がして
なんだか不快だった。




何を知るわけでも無いけど
龍くんのあの優しい笑顔を浮かべるだけで
疑う気持ちなんて微塵も湧いてこなかった。