誠哉の眠る病室に母親と妹のすすり泣きが響く。



「お兄ちゃん…!お兄ちゃん…!!
うわぁぁああ!!」


「夢を…叶えてやれなくて…すまない…!」


「この選択が…唯一…叶えてあげられる願いだなんて…!!
嫌…嫌よ!!
やっぱり出来ないわ!!」

「これが誠哉の望みなんだ!!
それに誠哉はその人の中で生きられるじゃないか…!」


「っ…!
うわぁぁぁああ!!」








そう。




一ノ瀬 誠哉は臓器提供をするのだ。



あと三日で、誠哉は確実に死ぬ。