「あの~…お客さん…大丈夫ですか?」



「お前のせいで耳が異常だ」



俺は今の状態をそのまま言った。



「す、すみません!
お客さんが急に…あの…何て言うか…」



「…なんだ?」



「えっと…ウチの店の椅子に座って寝ていたもので…」



…店?


「おい、ここはどこだ。
あの世じゃねーのか?」



「…いえ…。
此処は京の団子屋ですけど…」


「京?」


「ええ…天子様の宮がある京ですが…」


天子?


天皇か?



…ちょっとまて!


「あの世じゃねーのか!?」


「……はい。
先程も言いましたが、此処は京です。
お客さん、本当に大丈夫ですか?」



………。