続・雪うさぎ~その後の二人のラブラブなお話…のハズ?~

両隣には、同じようにピンクを基調として可愛らしく飾られた座席が用意されている。
これは雅と妹の里緒の席だ。

ひな祭りは女の子の節句なのだから、ここに俺の席は無くても良いんだけどなあ…。

気付かれないように、心に掛かる影をそっとため息と共に吐き出していると、雅と里緒がおばさんに急き立てられながら席に着いた。

食事の間も始終ご機嫌のおばさんからは、最後の一大イベントへの意気込みが鼻息と共にテーブルの反対側の俺たちまで届いてきそうだ。

何だって、こんなことにそこまで真剣になれるんだよー?

素晴しいはずのご馳走の味も、今ひとつ分からないままに、永遠に終わらないで欲しい食事の時間は、あっという間に過ぎ去っていった。