3月3日、俺は昔からこの日が大嫌いだ。


女の子の節句なんて、男には縁の無いものだが、雅のお母さんにとっては、そうではない。
娘たちの誕生日や自分の結婚記念日と同じくらい重要な日らしい。

だが、俺にとっては、この世で最も疎(うと)ましい日だ。

何故って…それは説明するのもうんざりなので、「勇気の受難」を読んでくれ。

…って事で、ここから先は、去年の俺の悲劇を知っていると仮定して話すからそのつもりで頼むな?