3月3日。これから毎年、あの悪夢の日が巡ってくるとは思いたくない。

出来れば、ひな祭りなんて無くなってくれてもかまわない。

俺にとって3月3日は受難の日以外の何者でもないのだから。

だいたいこんな事になったのも、雅がおばさんを阻止出来なかったのが原因じゃないか。

それどころか、あんなにでかいケーキを作りやがって。

あ~~~!ムカツク!

ぜって~、雅から口直しのキスを貰ってやる。

真っ赤になって、「いやだよぉ」と言う雅の姿を想像する。

今回ばかりは絶対に許してやらないからな。

もしも、来年また、無理やり今日と同じ事をするのだったら俺と同じだけの屈辱と受難を雅にも受けてもらおうと心に決める。

ニヤリとこぼれる復讐の笑み。

来年が楽しみだな。

「Happy Birthday 勇気。」

そう言ってみんなの前で雅が自分から俺にキスをくれるまで

絶対にケーキを口にすることもロウソクを吹き消す事もしてやるもんかと心に誓った。



++ 続・勇気の受難へ続く… ++